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- 産業医の目的
産業医は産業医学の実践者として、産業医学の理念および労働衛生に関する専門的知識、経験に基づき労働者の健康障害を予防するのみならず、労働者の心身の健康を保持増進することを目的とします。 産業医は実践の場である事業場において、事業者が法令に従って実施する労働衛生管理はもとより、さらには事業者が自主的かつ積極的に推進しようとする労働衛生管理について、衛生管理者、保健婦(士)、作業環境測定士など他のスタッフと協同し、専門的対策を適切に推進する役割を持ちます。 なお当サイトの『まめ知識その9 産業医について』の 産業医の職務1〜7でも見られますように、産業医の職務分野は健康管理、作業管理、衛生教育などにわたりることが法令にも示されていますが、全般的な推進に必要な総括管理を加え5分野に分類されます。この5分野について見てみましょう。
- 総括管理分野の職務
総括管理の分野では、健康管理・作業環境管理・作業管理ならびに労働衛生教育を総合して推進するための総合管理と、労働衛生管理を企業内で効果的に展開するための業務管理に関する職務があります。
- 職場巡視・職場衛生診断:定期、不定期の職場巡視、職場衛生診断により、職場における作業状態、作業環境衛生状態、衛生管理状況を把握し、問題の解決を図る職務。
- 健康障害の原因調査等:原材料、環境、作業、精神的負荷、人間関係など健康障害の原因調査に関する職務で対策・措置ならびにその評価に関することも含みます。
- 労働衛生管理体制の整備:事業場の内容・規模に応じた衛生管理体制の整備や資格者の充足について指導助言する職務。
- 労働衛生管理計画の策定:労働衛生管理の基本構想、中長期計画、年間計画等を策定するに当たり専門的立場から指導助言する職務。
- 健康保持増進計画の策定:健康の保持増進について体制の整備、人材の確保、施設・設備の整備ならびにその実施に関して指導助言する職務。「健康保持増進専門委員会」の長としての職務を含みます。
- 衛生委員会等への参加:衛生委員会または安全衛生委員会の構成員として出席し、意見を述べる職務。その他衛生管理に関する会議の設置、改廃についての助言ならびにそれら会議に参加する職務。
- 行政への対応:届出・報告等を点検・確認する職務。査察時の対応、行政の指導、勧告への対処に関する職務。
- 外部諸機関との連携:労働衛生機関、地域医療機関、大学などとの連携について、助言・支援する職務。これには地域・地区医師会、労働基準協会、関係学会などの活動への参加を含みます。
このほか衛生関係情報の管理、各種規程類の整備、安全管理との連携、職務設計・適正配置への参画、新技術・新設備の導入、労働衛生予算の策定と評価、後継者の育成などに関する職務があります。
- 健康管理分野の職務
健康管理関係の職務については法令で前記7項目の1、4、5で示されていますが、これらをまとめ実際的な職務として表現し直すと下記の通り7項目となります。
- 健康診断および事後措置:健康診断は、法定のもの、法定外のもの、有害作業に関するもの、一般のものなどがあり、また事後措置は、医療上の措置、就業上の措置、保健指導、結果の通知や報告などの職務。
- 疾病管理:医療の指導、医療機関の紹介、主治医との連絡、職場復帰指導等に関する職務。
- 防疫管理:給食に伴う食中毒、急性伝染病の処置や予防に関する健康管理面の職務。
- 栄養管理:健康の保持増進のための栄養・食生活の指導に関する職務。
- 救急処置等:事業場内の救急に関することのほか、地域の救急医療システムとの連携や防災体制との関係調整などに関する職務。
- 健康相談:メンタルヘルスを含む健康相談の実施ならびにこれに関し指導助言する職務。
- 健康の保持増進:充実した職場生活に必要な心身の健康の保持増進を図る活動に関する職務。これには、健康測定・指導票の作成、運動指導、保健指導、栄養指導、心理相談などがあります。
- 作業環境管理分野の職務
大きくは、有害環境に関する職務(下記1〜3)と適正な環境の実現に関する職務(下記4〜7)とに分けられます。
- 有害化学物質等の管理:有害化学物質等 (有機溶剤、金属等を含む)を取扱う作業場の環境の測定、評価・管理に関して指導助言する職務。
未規制のものを含め有害物質の有害性調査、事前評価、取扱い条件の設定などに関して指導助言する職務。
- 酸素欠乏症等危険作業の管理:酸欠危険箇所の指定、測定や対策、作業の管理を含め管理の確立について指導助言する職務。
- 有害エネルギー等の管理:高温・騒音・振動・電磁波等の有害エネルギーならびにその発生装置について、有害性調査、事前評価、使用条件設定を行う職務。
- 一般環境衛生:気積・換気・温湿度・採光・照明等一般環境の調査・点検に関する職務。休憩・休養施設、食堂、浴室、便所等付帯設備の点検に関する職務。寄宿舎・社宅等の衛生に関する職務。
- 作業環境の測定および評価:法定および法定外の作業環境の測定と評価に関する職務。特に個人曝露の測定、生物学的モニタリングについて指導助言する職務。
- 作業環境の改善等:作業環境の改善に関し必要性・緊急度の判断、目標の設定などについて助言する職務。
- 快適な職場環境の形成:目標に沿い空気環境・温熱条件・視環境・音環境・作業空間等を快適化し、その維持管理を図ることを指導助言する職務。
上記の他に環境改善設備等の維持管理(局所排気装置、遮音・消音設備等の維持管理に関し助言する職務)などに関する職務があります。
- 作業管理分野の職務
大きく分けると作業条件に起因する健康障害の予防に関する職務と作業者にとってより適切な作業条件の実現に関する職務となりますが、列挙すると以下のようになります。
- 有害作業の管理:振動工具取扱い作業、重量物取扱い作業など各種有害作業の調査、それら作業の作業指針、作業標準などの設定、日常の点検・管理に関する職務。
未規制のものを含め有害物質の有害性調査、事前評価、取扱い条件の設定などに関して指導助言する職務。
- 保護具等の管理:効果や生理的負担に配慮して、各種保護具・保護用品およびモニター用品(COミニモニターなど)などの選定、管理に関して助言する職務。
- 作業条件の管理:労働生理学、人間工学、産業心理学などを活用し作業方法の点検分析、改善の検討、改善効果の評価などに関する職務。特に快適な職場環境の形成に関し、作業による疲労やストレスを軽減することに関する職務。
上記以外にも、労働条件の管理(労働時間・休憩・交替制などについて、労働負荷の適正化を図る職務)などの職務もあります。
- 労働衛生教育分野の職務
- 労働衛生教育:法定の各種教育をはじめ経営者・管理者・監督者などの研修に関する職務ならびに教育資料の作成、教育担当者の育成に関する職務。
- 健康教育:一般的な健康教育ならびに肥満、高血圧等特定の目的の健康教育に関する職務。食中毒や伝染病の予防教育も含みます。
- 健康保持増進の教育:充実した職場生活に必要な心身の健康を保持増進するために行う一連の教育に関する職務。この中には意識づくりや活動の推進、資料の選定作成、担当者の育成なども含みます。
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まめ知識その10 【健康診断】
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